物流ニュース 7月2010年

28/07/10 ブリスベン港の99年間リース入札にニュージーランド企業が参加
28/07/10 昨年度のコンテナ取扱量が3.7%増えて223.7万個 − メルボルン港
28/07/10 貨物運賃カルテル問題でカンタス航空にも賠償の負担を−英国航空
28/07/10 連邦政府が老朽化した鉄道や港湾インフラを視察 − タスマニア州
28/07/10 メルボルンに豪州のハブとなる倉庫建設 − ヘルマン社
21/07/10 過去5番目の量となるメキシコからのコカイン密輸入を阻止−豪税関
21/07/10 港での死亡事故により、全国20ヶ所以上の港湾従業員がストライキ
14/07/10 多数のバルク船が石炭搭載の順番を待っていても港湾業界は楽観的
14/07/10 木材運搬船は”浮かぶガス処刑室” − 国際運輸労連
14/07/10 5月の豪州から欧州へのコンテナ量は依然低迷
14/07/10 英国の貨物業者2社を1.5億豪ドルで買収 − トール・グループ
07/07/10 農家が海上コンテナによる穀物の輸出を検討−西オーストラリア州
07/07/10 10年間、総額3億2,000万ドルの石炭輸送契約を獲得 − アシアノ
07/07/10 5月のコンテナ取扱量が7.9%増、全体の60%強が中国関連−ボタニー港
07/07/10 4月のオーストラリアの国際航空貨物が12.2%増

                                                              

07月28日2010年 ブリスベン港の99年間リース入札にニュージーランド企業が参加

  ニュージーランド企業のMorrison & Co.,社が、シドニー港やメルボルン港より貨物取り扱い成長率が高いブリスベン港の99年間リースの入札に参加した。 
  クイーンズランド州政府はこのブリスベン港のリースに関して、土地の所有などを認めない厳格な条件を付けており、リース料は20億ドルになるとされている。 ほかの入札参加者としては、オーストラリア・ファイナンシャル・レビュー紙が、Global Infrastructure Partners社、Queensland Investment Corp.社、Macquarie社が率いてMorgan Stanley Infrastructure Partners and Unisuper社を含むコンソーティアムと報道している。 
  クイーンズランド州政府のアンドリュウ・フレーザー財務相は、「ブリスベン港のリースの売却は、同港の将来の成長を見据えたステップで、入札結果はマーケットの状況にもよるが今年中に決めたい」としている。 
  2004年から2009年までのブリスベン港の貨物取り扱い重量は毎年平均4.9%伸びており、シドニー港は2.1%、メルボルン港は1.7%となっている。 コンテナの取り扱い量もブリスベン港は年間7%の伸びで、シドニー港は同じく7%、メルボルン港は4.6%となっている。 (Source; Scoop Business, 26/07/10 "Morrison & Co. eyes Brisbane port lease")

07月28日2010年 昨年度のコンテナ取扱量が3.7%増えて223.7万個 − メルボルン港
  メルボルン港湾公社は、昨年度(7月2009年-6月2010年)のメルボルン港のコンテナ取扱量が、下半期の活発な貿易が貢献して、前年度と比べて3.7%増え223.7万個(teu)となったと発表した。 
  前年度の総貨物取り扱い重量は、コンテナ貿易と自動車貿易の需要が高く、前年度比5.5%増の7,540万トンとなった。 貨物を搭載した輸出・輸入コンテナの取り扱い量が6.4%増えて180万個(teu)に、空コンテナの取扱量が6.3%減って43万5,000個(teu)となっている。 また、コンテナ輸送でない貨物の取扱量は、新車自動車が増えて6.7%増の2,110万トンとなった。 自動車貿易は世界的な金融危機から大幅に回復して、27.4%増の37万5,000台となり、これは1日当たり平均1,000台以上を取り扱っている計算となる。 
  同公社のスティーブン・ブラッドフォードCEOは、「昨年度の取扱量が回復したのは、明らかに1月から6月までの取扱量が大幅に増えたことによるもので、それらの月は昨年と比べて平均15.8%増えている」と話した。  (Source: Port of Melbourne, 27/07/10 "Port of Melbourne trade figures declare an end of the GFC")

07月28日2010年 貨物運賃カルテル問題でカンタス航空にも賠償の負担を−英国航空
  カンタス航空の幹部は昨日、「英国での訴訟について英国航空からは何も聞いていない」と語った。 
  英国のタイムズ紙は、「英国航空が貨物運賃カルテル問題による賠償責任を分担するために、カンタス航空を含む航空会社24社に対して法的手続きを開始した」と報道した。 カンタス航空の提携航空会社である英国航空は、小さな花の生産者2社から訴訟を起されているが、タイムズ紙は、「ヨーロッパの大手企業イケア社、フィリップス社、H&M社、エリクソン社、ミシェラン社もこの集団訴訟に加わっている」としている。 英国航空はこの訴訟について、ほかの航空会社も関与すべきとする"Part 20"の手続きを進めている。 
  カンタス航空の広報担当は、「英国航空からはこの訴訟について何も正式な連絡はない。 連絡があるまで我々はコメントする立場ではない」と話した。 
  カンタス航空はすでにオーストラリアで貨物運賃カルテル問題について集団訴訟を抱えている。 同社は2002年から2006年にかけての貨物運賃カルテルに関して、罰金としてはオーストラリアで過去2番目の金額となる2,000万ドルの罰金を支払うことで2008年にオーストラリアの消費者委員会と合意している。 (Source: The Australian, 24/07/10 "BA drags Qantas into its lawsuit: freight price-fixing")
07月28日2010年 連邦政府が老朽化した鉄道や港湾インフラを視察 − タスマニア州

  連邦政府の機関で独立した決定権限を有し、オーストラリアにおけるインフラのニーズに関する戦略的な計画を作り、その履行を進めるインフラストラクチャ・オーストラリア(Infrastructure Australia)の幹部が来月タスマニア州を訪れ、老朽化したインフラを視察する。 
  最近発表された第三者機関による報告書では、タスマニア州の鉄道ネットワークの評価が最低の”F”評価で、道路ネットワークの評価も平均以下となっている。 そして、下水や電力のインフラもこの5年間に改善が見られないとしている。 
  タスマニア州政府のララ・ギディングス首相代理は、「州政府が鉄道ネットワークを買収してから、次の報告書ではこの評価が上がると確信している。 しかし、タスマニア州には新しく必要なインフラ設備と共に、既存のインフラ設備のなかでもインフラストラクチャ・オーストラリアが行なっているBell Bayのパイプライン・プロジェクトや、タスマニア州政府が行っているホバート港のような改修が必要な重要なインフラもある」と話した。 (Source: ABC, 22/07/10 "Govt focus on ageing rail, ports")

07月28日2010年 メルボルンに豪州のハブとなる倉庫建設 − ヘルマン社
  Hellmann Healthcare Logistics社が、オーストラリアでのハブとなる倉庫をメルボルンで建設する。 この倉庫は摂氏15度から25度までの温度調節が可能で、フラッシュリンク・温度計モニターシステムによって温度が記録される。 広さは航空会社のコンテナやパレット、そして通常のパレット460枚が収容できる。 
  また姉妹会社のHellmann Worldwide Logistics社は、トルコのイスタンブールにあるBeylikduzu地区の倉庫を現在の3,000uから1万uに拡張する。 拡張するスペースにはラックシステムを使って9,500枚のユーロパレットが収容可能となる。 (Source: Aircargo Asia-Pacific, 22/07/10 "Hellmann opens Melbourne, expands Istanbul")
07月21日2010年 過去5番目の量となるメキシコからのコカイン密輸入を阻止−豪税関

  メキシコから輸入された敷石の中に隠されていた240キロのコカインを税関職員が発見し、オーストラリア人、メキシコ人、アメリカ人合計4人が逮捕された。 
  先月、メキシコからメルボルン港に到着した2個の海上コンテナの中に、茶色のテープで梱包され、市場価格8,400万ドルのコカインが隠されていた敷石が入っていた。 警察当局は、オーストラリアで過去5番目に大きな量のコカインを今回押収したことで、南アメリカの犯罪シンジケートによる密輸入を阻止したとしている。 警察が数ヶ月間に渡って捜査したあと、先月税関職員がメルボルン港に到着したこのコカインを発見し、ニューサウスウェールズ州警察、ビクトリア州警察、連邦警察と共に、このコカインを別の物質に交換した。 
  その後これらの海上コンテナはメルボルン南東部Moorabbin地区の倉庫に配達された。 そして今から10日前に、25才のメキシコ人がコカインが隠されていると信じているこの敷石を引き取り、シドニー北西部Baulkham Hillsに運んだ。 翌日このメキシコ人は販売目的のコカインを密輸入したとして逮捕された。 また24才と25才のオーストラリア人も、シドニー南東部Mascotでコカイン30キロを引き取りに来たところを、販売目的のコカインを所持した容疑で逮捕した。 アメリカ人のテオドロ・チャベス容疑者も一連のコカインの販売を手配した容疑で逮捕された。 (Source: ABC, 13/07/10 "Huge cocaine haul found in stone pavers")

07月21日2010年 港での死亡事故により、全国20ヶ所以上の港湾従業員がストライキ
07月14日2010年 多数のバルク船が石炭搭載の順番を待っていても港湾業界は楽観的

  港湾業界団体ポーツ・オーストラリア(Ports Australia)は、オーストラリアの港で依然として混雑が続いていることには驚いていない。 現在、クイーンズランド州Mackay近くのDalrymple Bay沖では50隻のバルク船が石炭の搭載の順番を待っている。 港は海外からの石炭の注文に対応するのに苦慮している状態である。 
  ポーツ・オーストラリアのデービット・アンダーソンCEOは、「現在、港湾、鉄道、道路に多額の投資がされており、これによって将来港湾作業のスピードアップがなされる。 海外からの高い資源需要によって、オーストラリアの港にプレッシャーがかかっている。 問題はバルク船の待ち時間だが、時々大げさに報道されている場合があり、一部は自然に解消されることがある。 港湾の処理能力が需要に追いついていないことに驚くことはない、オーストラリアの港湾、特にバルク港は大変よくやっていると思う」と話した。 
  コンテナ港のブリスベン港とシドニー港は多額の費用をかけてバースを拡張しており、メルボルン港は水路の浚渫を行なったし、パース港は外港を拡張している。  Gladstone港、 Newcastle港、 Port Hedland、Dampier港、Geraldton港でも新しいプロジェクトが予定されている。 (Source: ABC, 13/07/10 ".Ports not surprised about shipping queues")

07月14日2010年 木材運搬船は”浮かぶガス処刑室” − 国際運輸労連
  国際的な労働組合は、臭化メチルで燻蒸消毒が行なわれる中国貨物船の乗組員の安全について懸念を増している。 
  タスマニア港湾公社(Tasports)は中国に輸出される丸太を、Burnie港で1.5トンの有毒ガスを使っての燻蒸消毒を計画していが、地域住民の猛反対に会い、今週海上にて行なうことになった。 
  しかし、国際運輸労連(International Transport Workers' Federation)は、燻蒸消毒を海上で行なうことは、国際労働基準の規定に違反すると指摘している。 同労連のティーン・サマーズ氏は、「この木材運搬船に乗船している中国人乗組員とタスマニア港湾公社のスタッフ2人が重大な危険にさらされることになる。 これは”浮かぶガス処刑室”である。 乗組員は船内の住居室の中に72時間監禁され、新鮮な空気を吸う事も出来ない。 これは無責任で、無茶な行為である。 燻蒸消毒は船がドックにいる時に行なわれるもので、乗組員は陸上の宿泊施設に滞在すべきである」と話した。 (Source: ABC, 09/07/10 "Log ship a 'floating gas chamber'")
07月14日2010年 5月の豪州から欧州へのコンテナ量は依然低迷
  欧州定期船事務組合(ELAA : European Liner Affairs Association )が発表した統計によると、5月にヨーロッパからオーストラリア/オセアニア地域に輸送されたコンテナ貨物は3万1,800個(teu)で、前年同月の2万8,374個(teu)より12.07%増え、世界的な金融危機の際に減少したコンテナ貨物量の半分が回復した。 
  しかし、オーストラリア/オセアニア地域からヨーロッパ向けのコンテナ貨物量は2008年5月と比べて20%も減少し、依然期待に反している。 2008年5月は2万2,606個(teu)であったのが、2009年5月には2万939個(teu)となり、今年の5月はそれから8.78%減って1万9,100個(teu)となった。 
  今年に入ってから5月までの累計では、ヨーロッパからの輸入は前年同期比で13.8%減って374,901個(teu)となり、ヨーロッパへの輸出は前年同期比10.2%減の181,527個(teu)となっている。  (Source: European Liner Affairs Association, 06/05/2010, "Main Trade Routes, Australia & Oceania")
07月14日2010年 英国の貨物業者2社を1.5億豪ドルで買収 − トール・グループ
  オーストラリアのトール・グループは、英国の貨物業者2社、WT Sea Air Group (WT)とGenesis Forwarding Group (Genesis)を1億5,000万豪ドルで買収した。 
  トールのポール・リトル社長は、「この2社の買収で、ヨーロッパにおけるToll Global Forwarding (TGF)の規模が大きく拡大した。 今年の収入は、WT社が1億7,000万豪ドル、Genesis社が8,000万豪ドルと予想されている。 トールは2008年に貨物業者BALtrans社を買収し、世界で主要なマーケットである英国で成長基盤を確立し、今回の2社の買収でTGF社は英国の貨物業者上位6社の中に入った。 WT社は主にアジアなどからの輸入貨物を専門に取り扱い付加価値を付けた保税倉庫、引き取り、梱包、ガーメント・ハンギング、真空パック、配達を行なっており、顧客はファッション小売店が多い。 Genesis社は国際マルチ・モダル貨物輸送が専門で、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、南太平洋、中東での国防、航空宇宙、ガス、石油産業に強い。 WT社とGenesis社とを合わせた従業員は英国、アジア、アイルランド、北アメリカに650名いる」と話した。 (Source: Aircargo Asia-Pacific, 10/07/10 "UK expansion for Toll Group ")
07月07日2010年 農家が海上コンテナによる穀物の輸出を検討−西オーストラリア州

  西オーストラリア州のエスペランス港からのコンテナによる穀物輸出が18ヶ月以内に始まるかもしれない。 
  農家グループSouth East Premium Wheat-growers Association(SEPWA)が行なっているこの調査に、今週西オーストラリア州政府から5万ドルの助成金が支給された。 この調査プロジェクトは、エスペランス港からのコンテナによる穀物の輸出が有益なものか、それとも夢物語かを調べる。 
  SEPWAのプロジェクト・マネージャーのナイジェル・メッツ氏は、「もし、コンテナによる穀物の輸出が可能なら、今後マスタードのような商品も同じように輸出できる。 このプロジェクトの第一段階は、エスペランス港がオーストラリアのコンテナ船の航路にアクセスし、空コンテナが供給されるかどうかである。 そして、それが可能であれば第2段階として、コンテナでどのような商品が輸出できるのかを検証し、コンテナによる穀物の輸出に関係する人たちに対して適切な情報をまとめ上げる事である」と話した。 (Source: ABC, 30/06/10 "Containerised grain from Esperance a step closer")

07月07日2010年 10年間、総額3億2,000万ドルの石炭輸送契約を獲得 − アシアノ
  アシアナ・グループは、Middlemount Coal社と10年間、総額3億2,000万ドルの石炭輸送契約を獲得したと発表した。 この輸送契約は、Macarthur Coal社とNoble Groupとの合弁会社であるMiddlemount Coal社のクイーンズランド州にある新しいMiddlemount鉱山から年間300万トンの石炭を運ぶものである。 
  アシアナ・グループのマーク・ロウソーンCEOは、「これでクイーンズランド州で年間4,500万トンの石炭を輸送する契約が確保できた。 我々のクイーンズランド州での石炭戦略において、中期的にはまだまだ輸送できる能力がある」と話した。 (Source: The Australian, 01/07/10 "Asciano signs 10-year coal contract")
07月07日2010年 5月のコンテナ取扱量が7.9%増、全体の60%強が中国関連−ボタニー港
  主に中国との貿易が増えて、シドニーのボタニー港のコンテナ取扱量が8ヶ月間連続で記録を更新している。 
  今年度が始まった2009年7月から2010年5月までのコンテナ取扱量の累計が175万5,000個(TEU)となり、前年同期より5.6%増加している。 今年5月の取扱量は15万2,500個(TEU)となり、前年同月比7.9%増となっている。 ボタニー港の輸入と輸出を合わせた総コンテナ取扱量の60%以上が中国関連である。 最近、寄港したCOSCO社の新しい大型コンテナ船”Tian Jin He”号とYang Ming shipping line社の”YM Antwerp”号が取扱量に大きく貢献した。 
  5月のボタニー港の輸入コンテナ量は前年同月比11.4%増の7万3,500個(TEU)となった。 品目別では機械・輸送機器が11.6%、テキスタイル・ファブリックが47.1%、化学品が14.9%、紙製品が9.8%とそれぞれ増加した。 一方、輸出は酪農製品・卵が232.1%、鉄・鋼が33.3%、テキスタイル・ファブリックが36.5%増えたものの、全体的には前年同月と比べて11.3%減少した。 (Source: T & L News, 01/07/10 "China boosts Sydney container throughput")
07月07日2010年 4月のオーストラリアの国際航空貨物量は12.2%増

  連邦政府インフラ・運輸・地方経済局(BITRE)の最新の航空統計によると、オーストラリアへ定期運航する国際線航空会社の2010年4月の貨物量が、前年同月と比べて12.2%増えて6万1,858トンとなったことが分かった。 
  4月のオーストラリアへの輸入貨物量が29.2%増えて、これで5ヶ月間連続で前年を20%以上上回った。 ちなみに、2008年12月から2009年5月までの6ヶ月間の輸入貨物量は前年と比べて20%以上連続で減少していた。 4月のオーストラリアからの輸出貨物量は前年同月比で6.6%減となっている。 (Source: Aircargo Asia Pacific, 01/07/10 "International numbers up 12.2pc ")